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2009年1月

廃プラリサイクル施設周辺の健康被害事件(杉並・寝屋川)をどう捉えるか 池田こみち・鷹取敦

 東京都二十三区の家庭ごみの処理・処分は、2000年3月までは「東京都清掃局」が一括して行い、2000年4月以降は各区が収集し、「東京二十三区清掃一部事務組合」が焼却等の中間処理を行い、焼却灰・飛灰と燃やさないゴミが、東京湾中央防波堤にある「東京都」の最終処分場に、埋め立てられている。

 杉並区の不燃ごみ(主にプラスチック類)は、杉並区井草4丁目の区立井草森公園に設置された中継所(杉並中継所)に集められ、圧縮されて、大型のトラックに積み替えられ、最終処分場に搬入されている。

 杉並中継所の周辺では、施設の稼働直後から深刻な健康影響の訴えが多発した。

 この問題については、青山貞一教授(武蔵工業大学環境情報学部教授)が、以前に独立系メディア「今日のコラム」(以下の3つのURL)に紹介しているので、本稿末尾で紹介する記事と合わせてご覧頂きたい。

■「杉並病」を風化させないために~研究者らで現場を実査~その1
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col9901.html

■「杉並病」を風化させないために~研究者らによる調査を巡る議論~その2
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col9902.html

■<今日の一枚>「杉並病」発症の現場
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-todayone11.html

 2008年より「東京二十三区清掃一部事務組合」では、廃プラを「不燃ごみ」から「可燃ごみ」に変更することとなった(開始時期は区によって異なる)。多くの区では容器リサイクル法による一部のプラスチックの資源物としての回収を始めたため、一部のプラスチックはリサイクルされ、残りのプラスチックが焼却処理されている。廃プラ焼却の問題については別途大きな問題があり、以前から何度も紹介してきた。

 いずれにしても東京都二十三区では廃プラがそのまま最終処分場に搬入されることはなくなるため、杉並中継所で圧縮・積み替えを行う必要は無くなった。そのため杉並中継施設は、この2009年3月に廃止されることとなっている。これを報じる毎日新聞の記事によると、杉並中継所周辺では、今でも健康影響に苦しんでいる人がいるという。

 一方、大阪府寝屋川市では廃プラリサイクル施設の周辺で、杉並中継所周辺と似たような健康被害の訴えが多発して裁判となり報道でも何度か紹介されている。杉並中継所同様にプラスチックの圧縮過程に起因するものではないかと疑われており、同じ毎日新聞の記事に報じられているので、以下に紹介する。

 記事にもあるように、廃棄物はリサイクルすることが「いいこと」とされ、全国各地に同様のリサイクル施設が多数建設されている。しかし、少数派とはいえ、杉並や寝屋川で被害者が出ていることに目を向けずに、リサイクルは「是」としてこうした施設をつくり続けることには問題がある。昨今の廃プラスチック焼却の是非を巡る議論と一緒になって、焼却かリサイクルかが二者択一のように言われるのも問題だ。

 消費した後の製品を焼却してもリサイクルしても環境への影響は少なからず発生する。根本的な問題は、いかにごみ処理(焼却・破砕・圧縮等を経たリサイクルなど)をしなくて済む製品作りを進めるか、そのための仕組み作り、制度づくりが不可欠であり、本来の生産者責任(いわゆる拡大生産者責任)こそしっかりと問われるべきである。現状のように、すべてを消費者や自治体の「処理」に依存できるシステムは早急に見直しが必要である。

 この種の施設建設をめぐり地域分断や地域紛争が起こることは不幸なことであり、地域住民の闘いがより本質的なごみ政策の見直しにつながっていくことを望みたい。なお、寝屋川事件では、原判決があまりにも不公正かつ不見識であるとして原告側が控訴している。杉並でも寝屋川でも、裁判では施設の建設や稼働を認めた行政がその背後にあって、被害実態や被害者の救済に対する判断が軽視されがちであることが課題である。その意味でも、第三者的に被害者を支援する研究者や専門家の関与が鍵となる。

毎日新聞
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20090118ddm041040094000c.html
ニッポン密着:「杉並病」ごみ施設3月廃止、被害今も 鈍い行政、住民不信感

 東京都杉並区で、多数の周辺住民が健康被害を訴えた「杉並病」の原因となった不燃ごみ中間処理施設「杉並中継所」が今年3月廃止される。稼働から13年、被害者の苦しみは続くが、杉並と同様に廃プラスチックを扱う大阪府内の施設周辺では、杉並病に酷似した症状を訴える住民が続出して問題化している。ごみを大量に生み続けるニッポン。杉並病問題は終わりではなく、始まりだったのではないか--。

 ベランダに布団を干す家が多い晴天の日、木村洋子さん(67)宅の窓は閉め切られていた。干した布団で寝るとせきや湿疹(しっしん)が出る。付着物質に反応するという。月10万円の年金暮らし。「何の楽しみもない。生きているだけ」と言った。

 中継所から約500メートル離れた練馬区の2階建てに住む。夫を胃がんで亡くし1人暮らし。中継所が稼働後間もなく勤務先の百貨店で立っていられないほどの疲労感に襲われ、目がかすんだ。帰宅後は食べた物を吐き、体中に赤い斑点もできた。過労と考え、98年、定年2年前に退職した。

 00年、居間で倒れ、救急車で運ばれた。目が見えなくなり体が揺れてベッドをつかんで耐えた。めまいの診断で入院後、自宅に投げ込まれた印刷物で「杉並病」を初めて知った。木村さんは、当初、中継所問題を知らなかった「被害者」だ。区職員に病状を訴えたが、その後連絡はなかった。

 宮田幹夫・北里大名誉教授の診断は化学物質過敏症。杉並区の依頼で被害者の集団検診をした経験を持つ宮田教授は「自律神経や眼球運動、視覚検査で異常が出ており、中継所近くの被害者と同じ症状。発症時期から考えても中継所の影響は間違いない」と語る。

 杉並病の特徴の一つは、被害者がありながら原因物質はいまだに特定されていないということだ。中継所から多くの化学物質が発生しており、国の公害等調整委が「特定できない化学物質」としたのに対し、都の調査委員会が00年に報告したのは「不燃ごみを処理する際に発生した硫化水素」で、07年の東京地裁判決も追認した。

 しかし、硫化水素説は揺らぎ始めている。自殺の手段として知られるが古くから温泉で発生しており、複数の医学・化学者は「今も続く症状は説明できない」と、広く化学物質説をとる。調査委会長の柳川洋・自治医科大名誉教授(公衆衛生)は「中継所稼働後の数カ月間、硫化水素が出たのは間違いなく主因だと判断した。しかし、その後の健康被害は調べていないので分からない」と振り返る。

 原因追究も含め一連の行政側の対応に被害者側が不信感を募らせ、多くが補償を申請しなかった。そこには、科学・医学的知見が定まっていない被害にどう対
応するか、決め手を欠く行政の姿がある。

 大阪府寝屋川市。環境NGO(非政府組織)代表で地元町内会長の長野晃さん(65)は「まさか足元で」と嘆いた。知人に杉並中継所のデータ調査を依頼された際、プラスチック圧縮過程で化学物質が発生する事実に驚いた経験があった。その3年後、地元自治体などから集めた廃プラを加工する民間施設が近くにでき、寝屋川市などが共同運営する廃プラ中間処理施設も昨年稼働した。隣接する施設の間に立つと甘酸っぱいにおいが鼻につく。地元では「廃プラ臭」と呼ぶ人もいる。

 民間施設が運転を始めた翌年の06年夏、津田敏秀・岡山大教授(環境疫学)が約1500人を対象に実施した健康調査では、施設から700メートル以内の住民は2800メートル付近に比べ、湿疹の発症が12・4倍、目の痛みが5・8倍になる結果が出た。左半身がしびれたまま食べ物を吐き続けた20代の女性もいる。

 しかし、住民による2施設の運転差し止め請求訴訟は昨年9月、大阪地裁が「化学物質は排出されているが、健康被害は認められない」と棄却(住民側控訴)。市や府も一貫して被害者の存在を認めず、住民への疫学調査もしていない。

 「病因物質の特定より、施設周辺で症状が多発している事実が優先ではないか。水俣病など公害の拡大は行政の放置の歴史だった」

 津田教授の指摘が杞憂(きゆう)と言い切れるかどうか。

 廃プラの中間処理やリサイクル施設は全国で700を超え、増加を続けている。
【宍戸護】 

◇跡地に廃プラ施設、区長は「設置せず」
 山田宏・杉並区長は、中継所跡地に廃プラ中間処理など化学物質を排出する施設は設置しない方針を明らかにした。東京都から施設を移管された際、20年度まで「ごみ施設」として使用するという条件があるが「現実に健康被害に悩む人たちがおり、同じような施設では廃止の意味がない。清掃関連施設として幅広く考える」という。

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■ことば
◇杉並病の経緯

 収集車が地域で集めた不燃ごみを圧縮して東京湾岸の処理センターに運ぶための施設「杉並中継所」が96年春に稼働後、周辺住民120人以上が目やのどの痛み、皮膚炎、倦怠(けんたい)感などを訴え、「プラスチックの圧縮過程で発生した化学物質が原因で健康被害に遭った」と主張した。中継所は00年に東京都から杉並区に移管された。02年には国の公害等調整委員会が申請者18人のうち14人の健康被害との因果関係を認めたが、これまで被害補償された人はいない。

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悪夢のブッシュ8年、腐っても鯛となれるかオバマ新政権  青山貞一


悪夢のブッシュ8年
腐っても鯛となれるか
オバマ新政権


青山貞一


掲載月日:2009年1月22日

■ブッシュ政権、悪魔の8年間

 米国と言えば、ブッシュ大統領の8年、とくに「9.11」と呼称される2001年9月11日以降、米国はいわゆる単独行動主義を鮮明にし、アフガン、イラクに大量の軍隊を投入した。しかもブッシュ政権には、大統領自身がそうであるように石油、天然ガス利権に満ちた閣僚が多数存在していた。

 
振り返ってみると、ブッシュ政権の8年間は、米国民のみならず世界各国のひとびとにとり「悪魔の8年」であったに違いない。世界はわずかひとりの人間に生活、環境、経済、金融はては戦争でかき回されたものだ。

 
これは第二次世界大戦の欧州におけるナチス・ドイツのアドルフ・ヒットラー以来の事かも知れない! よくもまぁ、米国民はこんな酷い大統領を選んだ、と思うが、同じ事がドイツのヒットラーについても言えるから、まさに歴史は繰り返すのだろう。

 
とりわけ世界各国を巻き込み「対テロ戦争」、「テロとの戦い」の名の下に行われたアフガンそしてイラク戦争は、なんのことはない、ブッシュ政権とその仲間によるエネルギー新植民地主義、さらにエネルギー新帝国主義とでもいえる侵略戦争の様相を強めたものであったと云っても過言ではないだろう。

◆青山貞一:長編コラム 正当性なき米国のイラク攻撃
◆青山貞一:エネルギー権益からみたアフガン戦争、「世界」、岩波書店 

 しかも、ブッシュ政権はアフガンやイラクへの米軍駐留費や戦後復興費用の多くを日本に求め、日本政府はろくにまともな国会審議をするまもなく、これに応じている。以下の申し入れはいずれも私達が日本政府に対しおこなったものである。

◆正当性なき米国のイラク攻撃への日本政府の支持撤回の意見申し入れ  
◆日本政府へのイラク戦後復興拠出の不支持の意見申し入れ
◆自衛隊イラク派兵を勇気を持って断念させる意見申し入れ  

 
さらに2008年12月も押し迫ってからイスラエルによるガザ地区への衝撃的な殲滅攻撃は、ブッシュ政権の了解なしに行われるはずもないものであった。事実、2009年1月19日、ブッシュ政権の終焉とともに、ピターッとガザ攻撃は停止した。その間、何の罪もない幼児、子供、おとり寄りを含む1300名もの命が一方的なイスラエル軍の攻撃により命を落としたのである。

◆青山貞一:イスラエルが攻撃を突然止めた2つの訳
◆青山貞一:「ならず者国家」イスラエルは、いかに軍事大国化したか?

 
数年前、「サブプライムローン」という言葉を聞いたとき、それは一見して米国低所得者層への住宅政策の一種のように思われた。サブプライムローンは不動産担保商品とよばれたが、2006年債券化され世界中にまかれた「サブプライムローン」の価値が急激に下落、2007年になって「サブプライムローン問題」が顕在化するに及んだ。

青山貞一:<緊急解説>米サブプライムローン問題、一層の深みに

 
そして2008年秋の米国大手投資銀行、リーマンブラザースが倒産するに及んで、この「サブプライムローン」システムは低所得者層にリーズナブルで良質な住宅を提供するための政策ではなく、結果的に米国の格差社会を拡大し、世界中を金融危機に陥れる時限爆弾であることが分かったのである。

 
それより前、世界的な株安が進行し、米国を中心としたヘッジファンドや投資銀行は先物原油や先物穀物などに投資先の照準を絞った。これにより原油価格、ガソリン価格、灯油などの価格が世界各地で急騰し、世界中の人々の生活を窮地に追い込んだ。

 
さらに問題はこれだけではなかった。上記の先物取引、すなわち従来のデリバティブに加え、クリントン政権末期に議会がこぞって賛成した金融票品の自由化の結果できたCDSが、あらゆるものを投機、賭の対象としてしまったのである。その意味ではクリントンにも大きな責任があると言える。

 ※CDS クレジット・デフォルト・スワップ (credit default swap)
    - クレジットデリバティブ商品の一種。


 CDS関連商品の元本想定金額の世界総計

  • 2001年6月末 6315億$
  • 2001年末 9189億$
  • 2002年末 2.2兆$
  • 2003年末 3.8兆$
  • 2004年末 8.4兆$
  • 2005年末 17.1兆$
  • 2006年末 34.5兆$
  • 2007年6月末 45.5兆$
  • 2007年末 62.2兆$
 上記を見れば分かるように、バブル絶頂期の2007年末にはCDS関連商品の元本想定金額は、全世界で実に6,220兆円にも達していたことが分かる。

 
ブッシュ政権になって金融取引に関わる規制は一層緩和され、史上空前のバブルに突入した。そこではカネがカネをよぶ空前の金融経済が我が物顔で跋扈していたのである。

 すべてが右肩上がりで価格上昇するとすれば、持ち金の10倍、20倍はおろか100倍、200倍のデリバティブを行ってもリスクは感ぜず、逆に一夜にして億万長者となれるという夢に酔いしれたのである。

 
だが、リスクを負うことなく巨大な利益を得られる道理がない。

 
いつの世にあっても、このような錬金術は何時までも続かない。まして米国だけでなく世界中の投資家が引き時をわきまえないなかで、突如、バブルがはじけ、一気に100年に一度の金融危機が襲来したのである。
 
 
これらは、自分たちの私利私欲のために世界各国をアフガン、イラク戦争に巻き込んだブッシュ大統領や閣僚が、抱え込んだ米国の財政赤字解消策と無縁ではない。すなわち、ブッシュ政権は、巨額の戦費を拠出するためにバブル景気、それも実体経済と無縁にカネを捻出する金融資本主義的バブルを徹底して推し進めてきたのである。

 
かくして2008年春に始まった「サブプライム・ローン・バブル」の完全崩壊に端を発する株価の激落は、機関投資家を先物原油や先物穀物への投資に向かわせた。その結果、本来1バレル当たり50-60米ドルであった原油を7月には147ドルまで暴騰させたのである。エネルギー権益に満ちたブッシュ一族は実はここでも利権を得ていたのである。

◆青山貞一<緊急報告0>外交なき「油上の楼閣」ニッポンの行く末は暗澹
青山貞一<緊急報告1>まったなし!「油上の楼閣」を崩壊する原油高騰
◆青山貞一<緊急報告2>世界的株下落が投機マネーを先物原油に向ける
青山貞一<緊急報告3>今後も原油先物価格の高騰は続くのか?
青山貞一<緊急報告4>原油価格が下落してもガソリン価格は依然高値!


 
本来、世界中の生活や生産のもととなる原油を投機の対象としたWTI先物原油へのヘッジファンドなど機関投資家のカネの集中を米国政府は監視し、規制すべきであった。実際、米国下院の民主党はそのような法案を提出していたが、ブッシュ政権は法案化を阻止し、それがきっかけとなり先物の原油や穀物価格は暴騰したのである。

◆青山貞一<緊急報告0>外交なき「油上の楼閣」ニッポンの行く末は暗澹

 
同時期、ブッシュはガソリンにエタノールを混合させる燃料をトウモロコシなど穀物を原料に製造する政策を具体化した。その結果、先物穀物価格が暴騰し、それに端を発した食物価格の高騰は、貧しい途上国の人々だけでなく、格差社会のもと日々の生活もままならない人々を直撃した。

◆青山貞一:世界的な穀物・原油暴騰の元凶は米国だ

 
間違って当選したブッシュだが、その後の8年を見ると、ブッシュがしたことの多くは、無謀な規制緩和による弱肉強食の大企業や金持ちの徹底優遇、中東の天然ガスや石油を世界を巻き込む侵略戦争による搾取、そのための巨額の戦費による財政悪化、挙げ句の果ては米国初のサブプライムローンのシステム崩壊による世界的金融、経済危機の招来と、踏んだり蹴ったりであった。

 
これは世界各国に対し劇的な悪影響をもたらすだけでなく、本場米国の国民にあっても同様だったはずだ。ごく一部の富裕層や金融バブルの恩恵を受けたものを除けば、圧倒的多くの米国民にとっても悪夢の8年であったに違いない。


■政権交代のない腐りきった日本の政治

 そんなブッシュ政権にひたすら追随、盲従してきたのが日本だ。

 
米国の巨額な戦費を米国債の購入だけでなく、アフガン、イラクへの戦後復興の名の下での巨額財政支援を積極的に行ってきたのは小泉総理以来の日本である。

◆正当性なき米国のイラク攻撃への日本政府の支持撤回の意見申し入れ  
◆日本政府へのイラク戦後復興拠出の不支持の意見申し入れ
◆自衛隊イラク派兵を勇気を持って断念させる意見申し入れ  

 
周知のように日本では小泉氏がマスメディアを使って行った情報操作による世論誘導による郵政民営化選挙で衆議院議員の2/3に迫る議席をとって以来、ブッシュ政権への盲従を一段と強めた。

 
小泉氏は政権途中で安倍、福田に総理の座を実質禅譲した。しかも正当性も正統性もない安倍、福田政権は、それぞれわずか1年で政権を放り出し、その後、またまた実質禅譲によってトンデモの麻生政権が誕生した。この間、一切総選挙はない。

◆青山貞一:「世界透明度」ランキング、日本は議員の世襲などで18位
◆青山貞一:大マスコミが報じない自民議員過半が二世三世議員

 
民主主義の根幹をなす民意を無視し、ひとたび世論操作で得た多くの議席をもとに、小泉、安倍、福田、麻生の各政権はブッシュ政権同様日本を壊してきたのである。

 
これら小泉、安倍、福田、麻生の各政権に共通していることといえば、いうまでもなく二世、三世の国会議員である。まさに「親の七光り」そのものである。

 
国会議員としての資質をもっているとは思えない三百代言的政治家、小泉氏、幼稚で稚拙な右翼思想をもった安倍氏、それにまったくリーダーシップをもたない不作為の福田氏、どれも首相、総理以前に国会議員としても不適格者と言われても仕方ない人ばかりだ。

 
日本はブッシュが政権にいた8年の間、そんなトンデモの宰相を総理としてきたのである。親の七光り、二世、三世、さらに安倍、福田、麻生に至ってはまったく国民の審判を得ないで総理となった「日本の民主主義の民度を象徴する人物」である。


■腐っても鯛の米国となれるかオバマ新政権

 ブッシュのやりたい放題、悪夢の8年を米国や世界は経験した。

 しかし、そこはチェック・アンド・バランスの国、米国は「腐っても鯛」であるはずだ。 バラク・オバマ氏が圧倒的大差でマケイン候補破り第44代の米国大統領に当選した。

 オバマ氏はアフリカ系黒人の血を引く政治家だ。オバマ氏はわずか上院議員一期で黒人初の米国大統領になった。コロンビア大学、ハーバード大学ロースクールを卒業した弁護士でもあるというから、エリートには違いないが、米国民が選んだ米国のブランドニューのリーダーである。

 米国は建国以来の危機にあることは間違いないが、その頂点で親の七光り、二世、三世でない、アフリカ系黒人を米国民はリーダーに選んだのである。

 腐っても鯛の米国、およそ民主主義から程遠い世襲で民意をまったく反映しない総理をいただく腐りきった日本である。

 だが、現在直面している金融、経済危機は、それこそ100年に一度クラスのものであって、経済、金融、外交などいずれも素人といわれるオバマ大統領が、果たしてどこまでやれるかは未知数である。

 巨額の財政出動は、当然のこととして累積財政赤字を増やす。日本はこれ以上ないほどの財政赤字に悩んでいるが、今後、財政赤字の兄弟となりかねない。

 またアメリカの成長物神、それも物的な成長にとりつかれた価値観やライフスタイルをそのままに、果たして持続可能な社会はできるはずもない。ブッシュは京都議定書から脱退したように、経済成長至上主義だった。オバマは環境に力を入れると言っており、財政出動の予算案も準備している。

 しかし、経済・技術至上主義的な「環境」主義は、ダボス会議における世界の環境保全力ランキング結果を見るまでもなく、必ず破綻する。

 「環境」は技術や経済で汚染を押さえ込むことより、まさに私達が物質的な「成長の限界」を強く認識し、技術や経済に極度に依存しないサステイナブルな生き方を実現することが最も重要なのだから。

青山貞一:世界の「環境保全持続力」ランキング AISブログ
 

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世界の知性は「テロ」の本質をどうみるか  青山貞一

◆N.チョムスキー(マサチューセッツ工科大学教授)

 米国、とりわけブッシュ政権の対外政策に痛烈な批判を浴びせ続けてきた世界の知性、マサチューセッツ工科大学のノーム・チョムスキー教授は、米国をして世界最大の「ならずもの国家」と公言してはばからない。

 今年、80歳になるチョムスキー教授は、ベトナム戦争以来の米国の外交政策を痛烈に批判している。 

 いわゆる「9.11」以降、チョムスキーの史実に基づいた言論は海外はもとより米国内でも高い評価を得ている。ロックバンドU2のボーカル、ボノはチュムスキーを飽くなき反抗者と呼んでいる。闘う言語学者、それがノーム・チョムスキーである。 

  イラクとの「対テロ戦争」をめぐる米国の対外政策についてのインタビューにチョムスキーは、次のように明快に答えている。 

  第一に、「対テロ戦争」という言葉を使うにあたっては多大な注意が必要です。そもそもテロに対する戦争というものはあり得ません。

 論理的に不可能なのです。

 しかも、米国は世界最大のテロリスト国家です。

 ブッシュ政権で政策決定に係わっている人々は国際法廷でテロとして批判されてきた人々です。

 米国が拒否権を発動しなければ(このとき英国は棄権しています)、安保理でも同様の批判を受けていたはずの人々なのです。

 これらの人々が「対テロ戦争」を行うなどということはできません。問題外です。

 これらの人々は、25年前にもテロリズムに対する戦争を宣言しています。しかし、私たちはこれらの人々が何をしたかを知っています。

 中米諸国を破壊し、南部アフリカで150万人もの人々を殺害する手助けをしてきたのです。他の例もあげることができます。

 ですから「対テロ戦争」などというものはもともと存在しないのです。

 「テロリズムはどう定義するのか」というインタビューの質問に対し、チョムスキーは次のように答えている。 
      
 テロとは他者が『われわれ(米国)』に対して行う行為であり、『われわれ(米国)』がどんなに残虐なことを他者に行っても、それは『防衛』や『テロ防止』と呼ばれるのである、と。

 以下は、チョムスキーがインタビューに答える形で話した「米国の対テロ戦争」と「米国のイラク攻撃」の全文である。長文ですがぜひ読んで欲しい。
  「対テロ戦争」:チョムスキー・インタビュー 2002年7月3日

◆イクバール・アフマド(思想家)

 チョムスキー教授の友人にイクバール・アフマド氏(Eqbal Ahmad)がいた。ノーム・チョムスキーやE.サイードの盟友でもあるそのイクバール・アフマドは「テロ」にどう言及しているのであろうか?
 
 アフマドは1999年11月にイスラマバードで病気でなくなっているが、彼は「9.11」が起る3年前の1998年、「テロリズム---彼らの、そして、わたくしたちの」と言う講演のなかで、テロリズムについて非常に示唆に富んだ話をしている。

 当時刊行されたイクバール・アフマド発言集「帝国との対決」(太田出版03-3359-626)、大橋洋一・河野真太郎・大貫隆史共訳)から以下に核心部分を引用する。

 まず第一の特徴的パターン。それはテロリストが入れ替わるということです。昨日のテロリストは今日の英雄であり、昨日の英雄が今日のテロリストになるというふうに。

 つねに流動してやまないイメージの世界において、わたしたちは何がテロリスムで、何がそうではないかを見分けるため、頭のなかをすっきり整理しておかなければなりません。

 さらにもっと重要なこととして、わたしたちは知っておかねばならないのです、何がテロリズムを引き起こす原因となるかについて、そしてテロリズムをいかにして止めさせるかについて。

 テロリズムに対する政府省庁の対応の第二のパターンは、その姿勢がいつもぐらついており、定義を避けてまわっていることです。

 わたしはテロリズムに関する文書、少なくとも20の公式文書を調べました。そのうちどれひとつとして、テロリズムの定義を提供していません。

 それらはすべてが、わたしたちの知性にはたらきかけるというよりは、感情を煽るために、いきりたってテロリズムを説明するだけです。

 代表例を紹介しましょう。

 1984年10月25日(米国の)国務長官のジヨージ・シュルツは・ニューヨーク市のパーク・アヴェニュー・シナゴーグで、テロリズムに関する長い演説をしました。

 それは国務省官報に7ぺージにわたってびっしり印刷されているのですが、そこにテロリズムに関する明白な定義はひとつもありません。その代わりに見出せるのは、つぎのような声明です。

 その一、「テロリズムとは、わたしたちがテロリズムと呼んでいる現代の野蛮行為である」。

 その二はさらにもっとさえています。「テロリズムとは、政治的暴力の一形態である」。

 その三、「テロリズムとは、西洋文明に対する脅威である」。

 その四、「テロリズムとは、西洋の道徳的諸価値に対する恫喝である」。

 こうした声明の効果が感情を煽ることでなくしてなんであろうか、これがまさに典型的な例なのです。

 政府省庁がテロリズムを定義しないのは、定義をすると、分析、把握、そして一貫性を保持するなんらかの規範の遵守などの努力をしなければならなくなるからです。

 以上がテロリズムヘの政府省庁の対応にみられる第二の特徴。

 第三の特徴は、明確な定義をしないまま、政府がグローバルな政策を履行するということです。

 彼らはテロリズムを定義しなくとも、それを、良き秩序への脅威、西洋文明の道徳的価値観への脅威、人類に対する脅威と呼べばいいのです。

 人類だの文明だの秩序だのを持ち出せば、テロリズムの世界規模での撲滅を呼びかけることができます。

 要約すれば、米国なり西洋が使うあらゆる暴力はテロリズムとは言わず、米国なり西洋が被る暴力はすべてテロとなるということである。

 これはチョムスキー教授の言説と共通している。すなわち

 「テロとは他者が『われわれ(米国)』に対して行う行為であり、『われわれ(米国)』がどんなに残虐なことを他者に行っても『防衛』や『テロ防止』と呼ばれる」

のである。

 ここに今日の米国やイスラエルの対テロ戦争や対大量破壊兵器戦争の大きな課題が集約される。

 米国やイスラエルが自分たちがいくら核兵器や大量破壊兵器をもち、使ってもそれは自由と民主主義を守る正義の戦いとなり、中南米、カリブ諸国にCIAや海兵隊を送り込み他国の政府を転覆したり、要人を殺傷しても、またイスラエルがパレスチナを攻撃しても、けっしてそれはテロとは言わないのである。

 イクバール・アフマドの経歴について
 イクバール・アフマド(Eqbal Ahmad)著作集について 

◆ウゴ・チャベス(ベネズエラ大統領)

 歯に衣着せず痛烈にブッシュ政権を批判するラテンアメリカの旗手、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領は、2006年9月、ニューヨークの国連本部で行った演説のなかで、ノーム・チョムスキー教授の著作を片手に、ブッシュ政権の脅威について次のように明快に語っている。

 私が悪魔と呼んだ紳士である大統領(ブッシュ大統領のこと)は、ここにのぼり(注:国連本部の演壇)、まるで彼が世界を所有しているかのように語りました。全くもって世界の所有者として
...

 米国大統領が見渡すいかなる場所にも、彼はたえず過激派(テロリスト)を見ます。

 そして我が友よ――彼は貴方の色を見て、そこに過激派(テロリスト)がいる、と言います。

 ボリビアの大統領閣下のエボ・モラレスも、彼にとって過激派(テロリスト)に見えます。

 帝国主義者らは、至る所に過激派(テロリスト)を見るのです。

 もちろん、我々が過激派(テロリスト)であるなどということはありません。

 世界が目覚め始めている、ということです。

 至る所で目覚めています。そして人々は立ち上がり始めています。

 私の印象では、世界の独裁者は残りの人生を悪夢として過ごすでしょう。

 なぜなら、我々のように米国帝国主義に対抗する全ての者たちや平等や尊重、諸国の主権を叫ぶ者らは立ち上がっているのだから。

※ベネズエラ大統領チャベスの国連における大演説全文(2006年演説全容)
※チャベス大統領 国連演説全容(2005年演説全容) 日刊ベリタ
※ベネズエラ大統領チャベスの国連における大演説全文(2005年演説全容) 

◆佐藤清文(批評家)

 アラビア語で「情熱」や「闘魂」という意味の「ハマス」について報道されるとき、日本のメディアは「イスラム原理主義組織」と報道していますね?

 しかし、アルジャジーラを含め、アラブのメディアでは「パレスチナ抵抗軍」と報道するのが常です。

 実際、そう訳さないのは不正確なのです。ニュースは一つの報道だけでなく、多様な見方を意識していないとといけないのですが、日本の報道機関がアメリカ向きだというのはこういうところからもわかります。

 こういうところから直していかないと、本当の国際的な眼は養われませんね。

注)ハマース
ハマース、正式名称はイスラーム抵抗運動(Harakat al-Muq?wama al-Islamya)といい、各単語のアラビア文字の頭文字を取って(ハマース、アラビア語で「熱情」という意味)と通称される。 Wikipedia

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