世界最大規模のダム:中国・三峡ダムを現地視察する! 青山貞一
この11月20日から25日にかけ、私が在職する武蔵工業大学環境情報学部と中国の武漢大学(ウ-ハン大学, Wuhan University)との間で行っているSustainable Asiaワークショップが武漢大学であり、でかけてくる。
日本側からは5名の専任教員と8名の大学院生が参加し、11月21日と22日のワークショップでそれぞれ論文発表を行う。22日午後にワークショップ終了後、武漢から長距離バスで5時間ほどかけ、三峡ダムの現場に行き、23日から1日かけダム及びその周辺地域を現地視察する。
現地視察終了後、北京林業大学/北京師範大学にも立ち寄る予定である。
青山貞一は、21~22日、武漢大学で開催されるワークショップで「長崎県諫早湾事業に伴う干拓堤防設置に伴う水質悪化と常時開門による水質改善の可能性」及び「群馬県八ツ場ダム建設による自然環境、財政への影響の実体」について論文発表する予定である。
なお、武漢大学は4-5万人の学生・教職員を有する中国で最大規模の大学である。 帰国後、「独立系メディア」で現地視察報告をする予定である!
下の地図は三峡ダムがある中国・長江流域である。ダムは三峡(重慶直轄市から湖北省宜昌市)一帯に建設されている超大型の重力式コンクリートダムである。ダムの位置はThree Gorges Damである。
その三峡ダムは、1993年に着工、2009年完成予定。ダム建設の目的は、洪水抑制・電力供給・水運改善としている。完成すれば三峡ダム水力発電所は1,820万kWを発電可能とする世界最大の水力発電ダムとなる。
地理的には貯水池は湖北省宜昌市街の上流に始まり、重慶市街の下流にいたる約660kmに渡る。中国政府によると、下流域の洪水を抑制するとともに、長江の水運の大きな利便性をもたらすとされる。
加えて水力発電所は中国の年間消費エネルギーの1割弱の発電能力を有し、電力不足の中国において重要な電力供給源となる。水力発電は火力発電や原子力発電と比べCO2の発生も抑制することができるとされている。
しかし、他方で建設過程における住民110万人の強制移転、三峡各地に残る名勝旧跡の水没、さらに水質汚染や生態系への悪影響等、ダム建設に伴う問題も指摘されている。
■武漢大学とは 出典:Wikipedia
1893年に清の総督張之洞により創立された自強学堂が起源の総合大学。辛亥革命の後北洋政府がそれをもとに1913年国立武昌高等師範学校を創立する。当該大学は、1928年7月に国立武漢大学と正式に名称が制定された。
1952年、中国高校院系の調整により、武漢大学は中国国家教育部直属の総合重点大学となった。
中国中央部でも戦略的に重要な湖北省武漢市にあり、風光明媚な珞珈山麓、東湖に面し、広大なキャンパスを誇る。大学も近代的な建物と、旧式の建物が調和し、校内にも水と緑が豊富。春になると日中国交正常化以来植えた大量の桜が咲く。
国が初めて設立を批准した研究生院の1つでもあり、184の学科において博士学位の授与権、238の学科で修士学位の授与権を所有し、また11の博士課程修了後流動ステーションを所有している。他に20の学科が国家重点学科に指定され、17の学科が国家“211工程”の重点建設学科に列せられている。
現在5000人余りの教員が在籍しており、うち教授・助教授が約3000人、博士生指導教諭が800人となっている。また、中国科学院院士が4人、中国工程院院士が8人、国際欧亜科学院院士が3人在籍。その他、21の学科に“長江学者奨励計画”特別招聘教授の地位を設けている。
武漢大学は30種類の学部があり、様々な分野についてのプログラム、例えば、科学、技術工学、農業、医学、文学、歴史、哲学、法律、経済学、教育学、経営学などについてのプログラムを提供しています。創立以来30万余名の優れた人材を世に送り出し、多くの著名な革命家、政治家、軍事家、科学者、教育家、文学家、芸術家、実業家並びに社会活動家を輩出している。
1993年の創立百周年記念式典では、ハーバード大学、エール大学、東京大学ほか数多くの大学から祝福された。
現任学長は劉経南、共産党総支部委員会書記は顧海良。建築面積は389万平方メートルで、学生総数48000余名。
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